2016年5月8日日曜日

小児 義歯 Pediatric dentures


小児義歯・咬合面観

小児義歯とは?(What's pediatric dentures ?)

先天性・遺伝性疾患にともなう多数乳歯の先天性欠損あるいは重度齲蝕による多数乳歯の早期喪失に対して用いられる床義歯をいう。装着により、咀嚼機能や発音機能および審美面を回復することができる。成人の床義歯の設計とは異なり、成長発育を妨げないように配慮することが必要である。(oral studio より引用した)
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382B7/03463_07.php

使用材料(Materials)

 コバルトクロム合金ワイヤー(0.8mm)、リテーナー用即時重合レジン、小児用人工歯、サンドブラスト、金づち、メタルリンク

製作方法(Method of fabrication)

  1. 床外形線(青鉛筆)、クラスプ線(赤鉛筆)の設計を行う。
  2. クラスプを屈曲する。
  3. クラスプ脚部は、 レジンの維持部を設定する(上図参照)。
  4. クラスプ脚部を圧延して、薄くする。
  5. クラスプ脚部をアルミナサンドブラスト処理する。
  6. クラスプを超音波洗浄する。
  7. クラスプ脚部にメタルリンクを塗布する(接着処理)。
  8. クラスプを作業用模型に固定する。(アーム部をワックスやレジンで仮止めする)
  9. リテーナー用即時重合レジンを練和し、模型に圧接する。
  10. 40度設定の湿式加圧重合機を使用して5分間加熱加圧重合を行う。
  11. レジン部の厚みを1.5mm程度に調整する。
  12. 乳歯の人工歯を取り付ける。
  13. レジンの形態修正、研磨を行い、超音波洗浄する。
  14.  適合状態を確認して、完成。
 

小児義歯の設計図 歯科医師が作成

小児義歯の設計線

中心咬合位


クラスプの固定とボクシング

リテーナー用即時重合レジンを圧接・重合させた状態


小児義歯(人工歯固定前)・正面観

小児義歯(人工歯固定前)・側面観


小児義歯(人工歯固定前)・側面観2


小児義歯(人工歯固定前)・後面観

考察(Discussion) 

 ワイヤークラスプ脚部を圧延することで、レジン床が必要以上に厚くならないようにすることが可能である。  今回、クラスプ脚部の厚みを0.4mmとした。(直径0.8mmのワイヤーの半分の厚さ)

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