2016年5月29日日曜日

OD- メタルインレー 下顎第一大臼歯 OD- metal inlay. Mandibular first molar

OD- メタルインレー/ 金銀パラジウム合金

ODメタルインレーとは?(What's a OD metal inlay ?)

 メタルインレーは、虫歯を削ったあとに詰める金属製のものである。ODとは、咬合面、遠心面のことをいう。保険では金銀パラジウム合金、保険適用外では18K金合金等を用いる。

使用材料(Materials)

インレーワックス、ワックス分離材、ワックス形成器、スプルーワックス、石膏系埋没材、リング、キャスティングライナー、真空練和機、水、ファーネス、鋳造機、金銀パラジウム合金、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

1.作業模型を製作する(分割タイプ)
2.マージントリミングをする(拡大鏡使用)
3.ワックス分離材を塗布する(隣在歯、支台歯および対合歯)
4.ワックスアップする(歯列に調和させる)
5. マージン調整を行う(拡大鏡使用)
6.スプルー植立、埋没、鋳造を行う(ロストワックス鋳造法)
7.鋳造体割り出し、洗浄を行う
8.鋳造体内面の突起の除去を行う
9.コンタクト調整、鏡面研磨を行う

考察(Discussion)

1.支台歯模型の調整について

10~20倍の拡大鏡で支台歯を観察すると、インレーの支台歯には、アンダーカットが存在する場合がある。 このアンダーカットは、モデルリペアーあるいはブロックアウト用ワックスを使用して埋める必要がある。仮に、アンダーカットを埋めないでワックスアップを 行うと、ワックス原型がアンダーカットに引っかかり、着脱ができなくなる。着脱できたとしても、原型の外力による変形が起こる可能性が高くなる。
 アンダーカットをモデルリペアーで埋める方法は下記のとおりである。
1.拡大鏡を使用しながら、リーマーにモデルリペアーをつけながらアンダーカット部にモデルリペアーをつけていく(モデルリペアーの量は最小限にとどめる)。
2.モデルリペアー用硬化スプレーで、モデルリペアーを硬化させる。

2.ワックスアップ法について

一般的には、盛り上げ法でワックスアップされているが、個人的には、支台歯マージンラインを青色で明確に記 入し、半透明のソフトタイプインレーワックス(松楓のレッドインレーワックス)を使用して、軟化圧接法でワックスアップを行ったほうが、加熱を最小限にす ることができ、適合の良いインレーが製作できると考えている。加えて、半透明のワックスを使用することで、マージン部が過不足になることを防ぐことができ る。仮に、マージン部に過不足が生じると、形態回復時に、歯列及び歯冠に調和した形態が作れなくなる。




2016年5月28日土曜日

部分床義歯‐ ワイヤークラスプ‐ 上顎右側中切歯、上顎左側中切歯、上顎左側側切歯および上顎左側犬歯欠損 Partial denture - wire clasp. Maxillary right central incisor, maxillary left central incisor, maxillary left side incisor and the maxillary left canine tooth loss


部分床義歯‐ ワイヤークラスプ

部分床義歯‐ ワイヤークラスプ

使用材料 (Materials)

 人工歯、コバルトクロム合金ワイヤー、パラフィンワックス、普通石膏、サベイヤー、マイクロウェーブ重合型アクリルレジン、FRPフラスコ、埋没用石膏、油圧プレス、石膏鉗子、研磨器具、咬合器、石膏分離材、レジン分離材、超音波洗浄機

製作方法 (Method of fabrication)

  1.   スプリットキャスト法でユニティ咬合機に装着する。
  2.  サベイングを行い、義歯の直脱方向を決定する(咬合平面に対して垂直とした)。
  3.  サベイラインをひき、石膏でブロックアウトを行う(今回は歯の舌側のみ)。
  4.  ワイヤーベンディングを行う。
  5. ワイヤークラスプをワックスで固定し、人工歯配列および床をワックスで形成する。
  6.  フラスコに埋没して型を作製する。
  7. 分離剤を塗布し、レジンを填入し、重合を行う。
  8. 1日、水中で重合体を静置する。
  9.  フラスコから重合体を割り出しする。
  10. 咬合器にリマウントして、咬合調整を行う。
  11. バリ取り、鏡面研磨を行う。
  12. 超音波洗浄を行い、セット日まで水中保管する。
 

ろう義歯 



2016年5月22日日曜日

1級複雑‐ メタルインレー 上顎第一大臼歯  first- class complex- metal inlay. Maxillary first molar

メタルインレー

使用材料(Materials)

インレーワックス、ワックス分離材、ワックス形成器、スプルーワックス、石膏系埋没材、リング、キャスティングライナー、真空練和機、水、ファーネス、鋳造機、金銀パラジウム合金、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

1.作業模型を製作する(分割タイプ)
2.マージントリミングをする(拡大鏡使用)
3.ワックス分離材を塗布する(隣在歯、支台歯および対合歯)
4.ワックスアップする(歯列に調和させる)
5. マージン調整を行う(拡大鏡使用)
6.スプルー植立、埋没、鋳造を行う(ロストワックス鋳造法)
7.鋳造体割り出し、洗浄を行う
8.鋳造体内面の突起の除去を行う
9.コンタクト調整、鏡面研磨を行う

考察(Discussion)

1.支台歯模型の調整について

10~20倍の拡大鏡で支台歯を観察すると、インレーの支台歯には、アンダーカットが存在する場合がある。 このアンダーカットは、モデルリペアーあるいはブロックアウト用ワックスを使用して埋める必要がある。仮に、アンダーカットを埋めないでワックスアップを 行うと、ワックス原型がアンダーカットに引っかかり、着脱ができなくなる。着脱できたとしても、原型の外力による変形が起こる可能性が高くなる。
 アンダーカットをモデルリペアーで埋める方法は下記のとおりである。
1.拡大鏡を使用しながら、リーマーにモデルリペアーをつけながらアンダーカット部にモデルリペアーをつけていく(モデルリペアーの量は最小限にとどめる)。
2.モデルリペアー用硬化スプレーで、モデルリペアーを硬化させる。

2.ワックスアップ法について

一般的には、盛り上げ法でワックスアップされているが、個人的には、支台歯マージンラインを青色で明確に記 入し、半透明のソフトタイプインレーワックス(松楓のレッドインレーワックス)を使用して、軟化圧接法でワックスアップを行ったほうが、加熱を最小限にす ることができ、適合の良いインレーが製作できると考えている。加えて、半透明のワックスを使用することで、マージン部が過不足になることを防ぐことができ る。仮に、マージン部に過不足が生じると、形態回復時に、歯列及び歯冠に調和した形態が作れなくなる。


MO- メタルアンレー 上顎第二小臼歯 MO- metal onlay. Maxillary second premolar

MO- メタルインレー

MOメタルインレーとは?(What's a MO metal inlay ?)

 メタルインレーは、虫歯を削ったあとに詰める金属製のものである。MOとは、近心面、咬合面、のことをいう。保険では金銀パラジウム合金、保険適用外では18K金合金等を用いる。

使用材料(Materials)

インレーワックス、ワックス分離材、ワックス形成器、スプルーワックス、石膏系埋没材、リング、キャスティングライナー、真空練和機、水、ファーネス、鋳造機、金銀パラジウム合金、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

1.作業模型を製作する(分割タイプ)
2.マージントリミングをする(拡大鏡使用)
3.ワックス分離材を塗布する(隣在歯、支台歯および対合歯)
4.ワックスアップする(歯列に調和させる)
5. マージン調整を行う(拡大鏡使用)
6.スプルー植立、埋没、鋳造を行う(ロストワックス鋳造法)
7.鋳造体割り出し、洗浄を行う
8.鋳造体内面の突起の除去を行う
9.コンタクト調整、鏡面研磨を行う

考察(Discussion)

1.支台歯模型の調整について

10~20倍の拡大鏡で支台歯を観察すると、インレーの支台歯には、アンダーカットが存在する場合がある。 このアンダーカットは、モデルリペアーあるいはブロックアウト用ワックスを使用して埋める必要がある。仮に、アンダーカットを埋めないでワックスアップを 行うと、ワックス原型がアンダーカットに引っかかり、着脱ができなくなる。着脱できたとしても、原型の外力による変形が起こる可能性が高くなる。
 アンダーカットをモデルリペアーで埋める方法は下記のとおりである。
1.拡大鏡を使用しながら、リーマーにモデルリペアーをつけながらアンダーカット部にモデルリペアーをつけていく(モデルリペアーの量は最小限にとどめる)。
2.モデルリペアー用硬化スプレーで、モデルリペアーを硬化させる。

2.ワックスアップ法について

一般的には、盛り上げ法でワックスアップされているが、個人的には、支台歯マージンラインを青色で明確に記 入し、半透明のソフトタイプインレーワックス(松楓のレッドインレーワックス)を使用して、軟化圧接法でワックスアップを行ったほうが、加熱を最小限にす ることができ、適合の良いインレーが製作できると考えている。加えて、半透明のワックスを使用することで、マージン部が過不足になることを防ぐことができ る。仮に、マージン部に過不足が生じると、形態回復時に、歯列及び歯冠に調和した形態が作れなくなる。


2016年5月15日日曜日

硬質 レジン 前装 ブリッジ 上顎右側中切歯支台‐上顎左側中切歯欠損‐上顎左側側切歯支台 Hard resin veneering bridge. Maxillary right central incisor abutment - maxillary left central incisor missing - maxillary left side incisor abutment

硬質レジン前装ブリッジ

硬質レジン前装ブリッジ 舌側面観

硬質レジン前装ブリッジ 咬合面観

硬質レジン前装ブリッジ 

使用材料(Materials)

擬似歯肉用シリコーン、インレーワックス、ワックス分離材、リテンションビーズ、接着剤、スプルーワックス、ステンレスリング、キャスティングライナー、石膏系埋没材、金銀パラジウム合金、サンドブラスト、ファーネス、鋳造機、、形態修正用バー、形態修正用レジンディスク、研磨器具、メタルプライマー、硬質レジン(オペーク色、デンティン色、エナメル色)、レジン築盛用スパチュラ、光重合機、スチームクリーナー

製作方法(Method of fabrication)

  1.  擬似歯肉付き作業模型を製作する。
  2.  咬合器装着する。 
  3.  支台歯に分離材を塗布し、歯冠形態を回復する。 
  4. シリコンパテで歯冠外形のコアを作製する。 
  5. フィニッシュライン(金属部とレジン部の境目)を設定する。歯科医師と相談して、隣接面と切縁部を、メタルにするか樹脂にするかを決定する。唇側マー ジン部も、高さ方向に、幅0.3mm程メタルにすることが望ましい。(歯肉縁下マージンでは、歯肉とレジンを接触させない方がよい) 
  6. フィニッシュライン内側に、接着剤を塗布する。 
  7. リテンションビーズをふりかける。(接着剤に埋もれないように注意する。) 
  8. 接着剤が乾いたら、スプルーワックスを焼つける。 
  9. 石膏系埋没材で埋没する。 
  10. リングを加熱して、金銀パラジウム合金を鋳造する。 
  11. 割り出して、スプルーカットを行い、 フレームを茶色のシリコンポイントの粗さまで研磨する。フレームのレジンとの接触面は、アルミナサンドブラストで表面を荒らす。(機械的接合の向上を目的とする) 
  12.  フレームを超音波洗浄する。(切削くずと油分を取り除く) 
  13. フレームの、レジンとの接触面に金属プライマーを塗布する。 
  14. ペースト状のオペークレジンを、アンダーカット部までしっかり満たし、金属色が隠れるようにに盛ったあと、光重合機で重合する。(重合時間はメーカー指定) 
  15. 必要に応じて、サービカルオペーク、インサイザルオペークを使用して、色調に変化をもたせる。 
  16. ボディレジンを築盛する。(シリコンコアで形態を確認しながら作業する。また、エナメル部のレジンを盛る間隙を確認する) 
  17. エナメルレジンを築盛する。 
  18. 最終重合を行い、バーで形態修正を行う。 
  19. 鏡面研磨を行い、完成。

理想的な形態のワックスアップ 唇側面観

理想的な形態のワックスアップ 舌側面観


前装冠メタルフレーム 

レジンの厚みが確保できない部位は突起を削除する


オペークレジン築盛・光硬化後




形態回復の最中




厚みの小さいディスクを使用して歯の独立感を再現し、

鏡面研磨を行い完成




2016年5月14日土曜日

テンポラリークラウン プロビジョナルレストレーション 上顎側切歯、上顎犬歯、上顎第一小臼歯 Temporary crown. Provisional restoration , maxillary lateral incisor , maxillary canines , maxillary first premolar

テンポラリークラウン

使用材料(Materials)

 インレーワックス、パラフィンワックス、レジン分離材(アルギン酸系)、シリコーンパテ、歯冠色即時重合レジン、フィッシャーバー、レジン研磨用シリコンポイント、レーズ、硬毛ブラシ、軟毛ブラシ、バフ、テルキジン、超音波洗浄機。

製作方法 (Method of fabrication)

  1. 歯列に調和した、理想的な形態をワックスで形成する。
  2. 歯冠形態にシリコーンパテを圧接して、コアを作製する。
  3. バーを使用して、コアにレジンの逃げ道(溝または孔)を形成する。 
  4. 支台歯形成された模型ならば、ワックスクラウンを取り除き、支台歯に分離材を塗布する。
  5. コアに、適正混液比で練和した即時重合レジンを満たし、支台歯模型に素早く圧接する。
  6. レジンが完全に効果する前に、何回か支台歯模型から着脱を繰り返す。
  7. マージン部、隣接面部の形態をバーで修正する。 
  8. 鏡面研磨、隣の歯とコンタクトしているかを確認、内面に油分が付着していないか確認して完成。
 

硬質 レジン インレー 下顎第二小臼歯 下顎第一大臼歯 Hard resin inlays- mandibular second premolar and mandibular first molar

硬質レジンインレー

使用材料(Materials)

歯冠色硬質レジン(デンティン、エナメル)、レジン分離材、パラフィンワックス、光重合機、プラスチックフィルム、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

  1.  支台歯模型のアンダーカットをパラフィンワックスで埋める。
  2. パラフィンワックスを一層盛り上げ、セメントスペースを設定する。
  3.  レジン分離材を塗布する。
  4. 咬合面部に、一層デンティン色硬質レジンを築盛する。
  5. エナメル色硬質レジンで、形態回復を行う。今回は、支台歯の間にプラスチックフィルムをはさむ。
  6.  光重合機で重合する。
  7.  コンタクト調整、咬合調整およびマージン調整を行う。
  8. 鏡面研磨 を行い、完成。

セメントスペースおよびストッパーをパラフィンワックスで設定した