2016年6月25日土曜日

医療用材料としてのマグネシウム合金 Mg alloys for biomaterials

生体用マグネシウム合金

生体用に使用される金属材料としては、安全性と長期間耐久性を高めるために耐食合金が使用されており、ステントの場合、挿入時の余寿命から考えて金属は半永久的に体内に残留する。これは、再度血管を拡張したい場合に大きな障壁となる。この対策として考案されたのが、生分解性材料の概念で、現在ではMg合金の利用が研究されている。Mgは実用金属元素では最も比重が小さい。純金属のままでは強度が小さく構造材料としては使用できないので、Al, Zn, Mn, Zr, 希土元素などをひとつ以上加えて合金としている。
 Mgは極めて活性が高く、体内での分解(腐食)速度の適正な調整が困難で、しかも分解の際に水素ガスを発生する。人体に安全な範囲で分解速度を制御することが重要であり、このための研究が続けられている。

参考資料

バイオマテリアルシリーズ1 金属バイオマテリアル. 塙隆夫・米山隆之. コロナ社 2007, 87-89.

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