2015年12月29日火曜日

メタルボンド クラウン (A-1) (上顎左側中切歯、上顎左側犬歯) Porcelain fused-to-metal crown (maxillary left central incisor, maxillary left canine)

メタルボンドクラウン(A1) Porcelain fused-to-metal crown (A-1)

メタルボンドクラウン(陶材焼付前装鋳造冠)とは?

What's a porcelain fused-to-metal crown ?

 陶材焼付用金属を使用したメタルコーピングの上に陶材を焼き付けたクラウンのことをいう。フレームに強度および適合度に優れた金属を用いることによって、陶材の破折に対する抵抗性を確保している。これは、保険が適用されない。審美性および適合性の良いものを製作するために熟練を要する。

 使用材料(Materials)

ワックス分離材、インレーワックス、シリコンパテ、ワセリン、スプルーワックス、陶材焼付用合金、専用埋没材、リング、キャスティングライナー、鋳造機、ファーネス、アルミナサンドブラスト、ポーセレンファーネス、筆、精製水、陶材(オペークポーセレン、ボディポーセレン、エナメルポーセレン)、エアタービン、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

1. 作業模型を製作する(擬似歯肉も作製する)
2.歯冠形態をワックスアップする
3.シリコンインデックスを製作する
4.カットバックして焼付用フレーム形態にする(カラーレス、サポートエリア付与、丸みを付けるフレーム厚みは薄くしすぎない、ポーセレンの厚みをなるべく均一になるようにする)
5.スプルー植立、原型の埋没、鋳型の加熱、鋳造をする
6.フレームを割り出し、フレームの形態修正、サンドブラスト処理、ディギャッシングをする
7.オペーク陶材を金属色が隠れるまでフレームに盛り、焼成する
8.ボディ陶材を築盛して、歯冠形態をつくり、焼成する 
9.エナメル陶材を築盛して焼結する
10.コンタクト調整、咬合調整、形態修正を行う
11.艶出し焼成を行う
12.品質の確認(適合、形態、色調、表面性状、コンタクト)を行い完成

理想的な歯冠形態

陶材焼付冠のメタルフレーム



オペーク陶材の築盛および焼結した状態

ボディ陶材を築盛した状態

ポーセレンファーネスで焼成するところ

メタルボンドクラウン(舌側面観)

メタルボンドクラウン(唇側面観)


考察(Discussion)

陶材焼成時の気泡発生について

 陶材を焼成すると、ガスの発生による気泡が出来る時がある(下図参照)。これは、切削カスがメタルフレームに残留する時に起こると言われている。これは、ジルコニアフレームでは起こらないと言われている。

ガスが発生した状態

 

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