2015年12月31日木曜日

個人トレー、個歯トレー、テンポラリークラウン Custom tray, abutment tray and temporary crown

個人トレー、個歯トレー、テンポラリークラウン

テンポラリークラウン

個歯トレー(下顎右側第一小臼歯)

個歯トレー (上顎右側第一小臼歯)

製作物について

 個人トレー、個歯トレー、テンポラリークラウンは、それぞれ専用の即時重合レジンを用いて歯科技工士の手作業により製作されている。製作時に、揮発性を有するメチルメタクリレート(液状)を使用するため、ゴーグル、マスクおよび手袋を着用して作業する必要がある。また、同時にドラフトチャンバーを用いて、換気する必要がある。従って、レジンを使用すると、作業環境の汚染が懸念される。
 上述の問題点を解決するために、3Dプリンタ技術やCAD/CAMミリング法を利用して、テーラーメイドである個人トレー、個歯トレー、テンポラリークラウンを製作ということが考えられる。製作手順は、設計を3D CAD(3Dモデリングソフト)で行い、3Dプリンタやミリング機で製作物を製作するという流れである。機械で加工するため、作業環境の改善が期待できる。
 また、機械加工を夜間に行うことで、歯科技工士の長時間労働の改善につながる可能性がある。

関連リンク(Related links)

DWS システムズ社
http://www.dwssystems.com/printers/dental-lab-clinic#RFTab 

エンビジョンテック社
http://envisiontec.com/ 
  

メタルコア (下顎前歯部) Metal core (Lower anterior tooth part)

メタルコア (下顎前歯部)

メタルコア 舌側面観

製作上の要点(特にポスト部が細い症例)

 ポスト部はソフトタイプのワックスを使用して軟化圧接法で製作する。ワックスを圧接後、ワックスが完全に固まる前に抜き出して着脱できるようにする。
 ワックス原型を支台歯にはめたまま彫刻すると、ポスト部が折れる可能性が高い。ポスト部をレジンで補強したり、ワックス原型を支台歯から外して、ポスト部が折れないように彫刻する必要がある。
 
  

2015年12月29日火曜日

メタルボンド クラウン (A-1) (上顎左側中切歯、上顎左側犬歯) Porcelain fused-to-metal crown (maxillary left central incisor, maxillary left canine)

メタルボンドクラウン(A1) Porcelain fused-to-metal crown (A-1)

メタルボンドクラウン(陶材焼付前装鋳造冠)とは?

What's a porcelain fused-to-metal crown ?

 陶材焼付用金属を使用したメタルコーピングの上に陶材を焼き付けたクラウンのことをいう。フレームに強度および適合度に優れた金属を用いることによって、陶材の破折に対する抵抗性を確保している。これは、保険が適用されない。審美性および適合性の良いものを製作するために熟練を要する。

 使用材料(Materials)

ワックス分離材、インレーワックス、シリコンパテ、ワセリン、スプルーワックス、陶材焼付用合金、専用埋没材、リング、キャスティングライナー、鋳造機、ファーネス、アルミナサンドブラスト、ポーセレンファーネス、筆、精製水、陶材(オペークポーセレン、ボディポーセレン、エナメルポーセレン)、エアタービン、研磨器具

製作方法(Method of fabrication)

1. 作業模型を製作する(擬似歯肉も作製する)
2.歯冠形態をワックスアップする
3.シリコンインデックスを製作する
4.カットバックして焼付用フレーム形態にする(カラーレス、サポートエリア付与、丸みを付けるフレーム厚みは薄くしすぎない、ポーセレンの厚みをなるべく均一になるようにする)
5.スプルー植立、原型の埋没、鋳型の加熱、鋳造をする
6.フレームを割り出し、フレームの形態修正、サンドブラスト処理、ディギャッシングをする
7.オペーク陶材を金属色が隠れるまでフレームに盛り、焼成する
8.ボディ陶材を築盛して、歯冠形態をつくり、焼成する 
9.エナメル陶材を築盛して焼結する
10.コンタクト調整、咬合調整、形態修正を行う
11.艶出し焼成を行う
12.品質の確認(適合、形態、色調、表面性状、コンタクト)を行い完成

理想的な歯冠形態

陶材焼付冠のメタルフレーム



オペーク陶材の築盛および焼結した状態

ボディ陶材を築盛した状態

ポーセレンファーネスで焼成するところ

メタルボンドクラウン(舌側面観)

メタルボンドクラウン(唇側面観)


考察(Discussion)

陶材焼成時の気泡発生について

 陶材を焼成すると、ガスの発生による気泡が出来る時がある(下図参照)。これは、切削カスがメタルフレームに残留する時に起こると言われている。これは、ジルコニアフレームでは起こらないと言われている。

ガスが発生した状態

 

2015年12月15日火曜日

メタルコア (14K金合金) Metal core (14K gold alloy)

メタルコア (14K金合金) Metal core (14K gold alloy)

使用材料(Materials)

ワックス分離材、インレーワックスソフト、シリコンパテ、スプルーワックス、リング、埋没材、キャスティングライナー、ファーネス、真空練和機、円錐台、14K金合金、鋳造機、都市ガスとブローパイプ、研磨器具一式

製作方法(Method of fabrication)

1.作業模型を製作する
2.支台歯にワックス分離材を塗布する
3.軟化圧接法でポスト部をワックスアップする
4.歯冠部も理想的な形態にワックスアップする
5. シリコンインデックスを作製する
6. シリコンインデックスを使用して、陶材焼付前装鋳造冠を製作するための支台歯を製作する。(前装冠の厚みの確保、支台歯に丸みを与える)
7. スプルー植立、埋没、鋳型の加熱、鋳造を行う(ロストワックス鋳造法)
8. スプルーカット、茶色のシリコンポイントまで研磨して完成

メタルコアの切縁観

メタルコアの隣接面


関連リンク(Related links)

歯型彫刻と歯列模型製作
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/blog-post.html 
スタビライゼーションスプリント
tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/stabilization-splint.html
プロビジョナルレストレーション/テンポラリークラウン
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/provisional-restoration-temporary-crown.html 
レジン前装鋳造冠
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/metal-crown-with-acrylic-facing.html 
歯科インプラント治療のためのX線診断用ステント
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/xx-ray-diagnostic-stent-for-inspection.html 
フルキャストクラウン(上顎第一大臼歯)
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/full-cast-crown-besetzung-metall-krone.html 
コバルトクロム合金製キャストクラスプ
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/cast-clasp-made-of-cobalt-chromium-alloy.html 
即時義歯
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/immediate-denture.html 
CAD/CAMミリング法で製作したレジンクラウンとCAD/CAM冠の治療指針
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/09/cadcamresin-crown-by-cadcam-milling.html 
接着ブリッジと治療のガイドライン
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015_10_01_archive.html 
ナイトガード(ソフトタイプ)
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/10/nigut-guard-soft-type.html 
メタルアンレー
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/10/metal-onlay.html 
テンポラリーブリッジ
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/10/temporary-bridge.html 
プロビジョナルレストレーションとメタルコアのセット
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015_11_01_archive.html 
口腔顔面技工のまとめ
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/11/summary-of-oral-and-maxillofacial.html 
フルキャストクラウン(サベイドクラウン)
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/11/surveyed-crown-mandibular-second-molar.html 
フルキャストクラウン(遠心根支台歯、下顎第一大臼歯)
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/11/full-cast-crown-of-distal-root-abutment.html 
歯科技工用CAD/CAMシステム
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/11/cadcamcadcam-system-for-dental-technique.html 
MODメタルアンレー
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/11/mod-mod-metal-inlay.html 
咬合床
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015_12_01_archive.html 
メタルボンドクラウン 
http://tailor-made-dentaltechnology-takada.blogspot.jp/2015/12/1-porcelain-fused-to-metal.html
 

2015年12月8日火曜日

咬合床 Bite plate

咬合床 Bite plate

咬合床とは?(What's a Bite plate? )

 無歯顎患者おける咬合採得とは、喪失した歯や歯槽骨などに代わる咬合床を口腔内に製作し、その上下顎の咬合床を介して、上下顎模型の静的ならびに動的な位置関係を記録する。
こ のような上下顎顎間関係の記録に先立ち、まず標準順的な形状の咬合床を作業模型上で製作する。咬合床は基礎床と咬合堤からなり、仮想咬合平面決定、咬合高 径の決定、さまざまな下顎位の記録、基準線の記録、人工歯の選択と配列位置および歯肉部と歯槽部の豊隆と形態への指標、ゴシックアーチの記録など多くの役 割を担い、生体に適応した全部床義歯を製作するための重要な装置である。
 基礎床は、咬合床の基底部をなし、咬合堤を支える仮の義歯床として、最終義歯の外形線に沿って作られる。
 咬合堤は、顎間関係の記録と人工歯の排列位置などを目的とし、基礎床の上に歯列弓を想定して堤状に作られる。咬合堤の形態は、臨床操作において咬合高径をはじめ人工歯の選択と配列、蠟義歯の製作や試適などの非常に重要な役割を担っていることから、全部床義歯の人工歯の排列位置および歯軸の傾斜などが、個々の口腔内の 条件に適合するように、標準的な形態と寸法であらかじめ準備した咬合堤をそれぞれの臨床操作において修正することが必要となる。

Oral Studio より引用した。http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382B3/04463_09.php

使用材料(Materials)

 ワセリン、トレー用常温重合レジン、パラフィンワックス、ブロックアウト用ワックス、ノギス、デンチャー用定規、網ヤスリ(ワックス切削用)、ガストーチ

製作方法(Method of fabrication)

1.  作業模型に設計線を引く(歯槽頂、切歯乳頭中央、口腔前提の最深部、齦頬移行部、結節の外周、ポストダム、第一横口蓋ヒダ、正中縫合線、レトロモラーパッドの上部1/3)
2.  模型にワセリンを塗布する
3. トレー用即時重合レジンを適正混液比で 20秒間手練和して、模型に圧接する
4. 義歯床外形線に合わせてレジンプレートの辺縁を作製する(基礎床の完成)
5. U字状のパラフィンワックスブロックを、モールドにワックスを流すか、板状のワックスを丸めるかして作製する。
6. 作製したU字状ワックスブロックを基礎床の上に焼き付ける
7. ろう堤の位置および高さについて。上顎は、ろう堤先端を切歯乳頭から7~8mm前方に位置させる。アーチは歯槽頂より頬側よりに位置させる。ろう堤の高さは、口腔前庭最深部から18~20mmの高さとする。また、ハミュラーノッチから7mmの高さとする。下顎は、ろう堤のアーチを歯槽頂に一致させる。高さは、口腔前庭から16~18mmとする。また、レトロモラーパッドの中央~上部1/3とする。
8. ろう堤の咬合部は、網やすりで平らにする
9. ワックス部をトーチで滑沢にして完成



 


関連リンク(Related links)

歯型彫刻と歯列模型製作
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スタビライゼーションスプリント
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即時義歯
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接着ブリッジと治療のガイドライン
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ナイトガード(ソフトタイプ)
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メタルアンレー
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テンポラリーブリッジ
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プロビジョナルレストレーションとメタルコアのセット
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