2015年10月22日木曜日

接着 ブリッジ Resin-bonded fixed partial denture

接着ブリッジ Resin-bonded fixed partial denture

接着ブリッジとは?(What's a resin-bonded fixed partial denture ?)

 金属のフレームワークを、接着性材料によって装着するブリッジのことをいう。支台歯の歯質削除を最小限にとどめられることが利点である。
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382BB/03618_09.php

使用材料(Materials) 

作業模型、ワックス分離材、インレーワックス、パターンレジン、シリコーンパテ、ワセリン、リテンションビーズ、スプルーワックス、リング、ライナー、真空練和機、石膏系埋没材、ファーネス、金銀パラジウム合金、アルミナサンドブラスト、メタルプライマー、硬質レジン(オペーク、デンティン、インサイザル)、研磨用器具、技工用バー。

製作方法(Method of fabrication) 

1.作業模型を製作する
2.模型にワックス分離材を塗布する
3. 支台歯に一層パラフィンワックスまたはインレーワックスを塗布する
4.パターンレジンを、塗布したワックスの上に一層盛り上げる(原型の骨格をつくる)
5.インレーワックスで理想的な歯冠形態を形成する
6. シリコンパテで歯冠形態のシリコンインデックスを作製する
7.カットバックをする
8.リテンションビーズを付与する
9.スプルー植立、埋没、加熱、鋳造をする(ロストワックス鋳造法)
10.割り出し、スプルーカット、茶シリまでフレームを研磨する
11. レジンとの接触面に、アルミナサンドブラスト処理をする
12. フレームを洗浄し、メタルプライマーをレジンとの接触面に塗布する
13.オペークレジンを、金属色が見えなくなるまで塗布する
14.シリコンインデックスでエナメル色レジンを盛る量を確認しながら、ボディ色レジンを盛り上げる
15.エナメル色レジンを盛り上げる
16.機械研磨後、外部ステインテクニックで白帯などを表現する

結果(Result)

 今回、外部ステインテクニックを用いたことで、口腔内に調和した色調が再現できた。

考察(Discussion)

1. 外部ステインテクニックについて

 隣在歯に、白帯や着色が観察されるとき、歯列の色調に調和するように、レジン表面にステインを塗り、光で硬化させることがある。ステイン後、ナノコートでコーティングして完成させる。


2.接着ブリッジのガイドライン(日本歯科補綴学会のガイドラインを引用した)

 接着ブリッジとは,従来型ブリッジと同様に支台装置(以下リテーナー*),ポンティック,連結部より構成されるが,支台歯のうち少なくとも歯の切削を原則的にエナメル質にとどめ,接着性レジンを用いて支台歯に支台装置を接着するブリッジのことをいう.1歯または2歯程度の少数歯欠損に対して用いられる.
*:保険用語ではリテーナーは暫間補綴装置をさすが,本ガイドラインにおいては本来の支台装置の意味として使用する。

 接着ブリッジの支台歯は生活歯であることが望ましく,失活歯の場合には従来型ブリッジの選択を考慮する.また,前歯部と臼歯部では接着ブリッジに加わる咬合力の方向や大きさが異なるため,支台歯数は装着部位や支台歯の状態によって増減する必要があるが,支台歯形成や被着面処理を適切に行えば,装着部位による生存率の差は認められない.欠損歯数が1歯であっても,欠損部が大きくなれば,使われる金属材料の歪みも大きくなる.接着ブリッジでは従来型ブリッジに比較して,咬合力による歪みや歯の動揺による歪みに対して支台歯から脱離しようとする剥離応力が強くなる.したがって,ロングスパンや歯列が彎曲した部位における接着ブリッジの適用には注意が必要である.接着ブリッジの適応症は2歯欠損までであり,3歯以上の欠損に適応する場合は設計を十分熟慮すべきであるといえる適応症選択の原則を守ることで成功率は向上し,従来型ブリッジと並んで少数歯欠損に対する一つの治療オプションとなりうる.
 支台歯の状態
 支台歯の動揺度は接着ブリッジの成功を左右するため,その動揺度を把握するべきである.歯周疾患治療後などのために支台歯に動揺がみられる場合は,動揺がない場合に比較して脱離する確率が高いことが報告されており,支台歯により強固な維持形態を付与したり,ブリッジ自体の剛性をより高めたりすることが必要となる.また,咬耗などによって象牙質が広範囲に露出した歯を接着ブリッジの支台歯として用いることは推奨しない.欠損部位の状態欠損歯数やその長さは接着ブリッジの予後に重要な因子であるため,欠損部位の状態を把握することが望ましい.接着ブリッジの維持力は従来型ブリッジに比較して弱いと言われている.また,接着界面に加わる応力は,圧縮応力に比較して剪断,剥離応力に弱い.したがって,欠損歯数や欠損部の長さにより接着ブリッジの支台歯数は決定されるべきである.適応する欠損部位による成功率に関しては様々な報告がある.上顎よりも下顎の,前歯部よりも臼歯部の成功率が低いとする報告がみられる一方で,前述のように部位の違いによる成功率には差が認められなかったという報告もある.このような相反する結果は,接着ブリッジの成功率が適応部位よりも支台歯形態,被着面処理,あるいは接着材などの影響を受けて交絡されている可能性を示している.いずれにしても,前方運動時や側方運動時にできるだけ接着界面に剪断,剥離力が加わらないよう装着後によく咬合調整を行うことが必要であり,またその応力の影響に抵抗できうる抵抗形態を支台歯に付与することが必要といえる.
 咬合状態
 接着ブリッジは,従来型ブリッジに比較して,歯の動揺やブラキシズムや咬合干渉などによる外力に対して脆弱であるため,咬合状態を把握することが望ましい.支台歯が動揺している場合は接着ブリッジの脱離原因となる.また,異常な動揺がみられない支台歯であっても,ブラキシズムや咬合干渉のような環境下にある支台歯は注意が必要である.
 口腔衛生状態
 支台装置を利用する接着ブリッジは,その辺縁がすべて歯肉縁上にあるため,プラークコントロールは容易で歯周組織に与える影響は少ない.しかし,支台装置と支台歯の界面にはプラークが付着しやすいので,プラークコントロールしにくい部位,特に支台歯とポンティック間の鼓形空隙部は歯間ブラシ等による徹底したプラークコントロールを行う必要がある.口腔衛生状態を把握することは接着ブリッジに必要な検査といえる. 

 
 

 

 

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